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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

50.07. 麻酔中の人工呼吸

目次
50.07. 麻酔中の人工呼吸
○ より侵襲の少ない人工呼吸を行う際の要点は(1)換気量(圧)制限と(2)無気肺の予防。
◍1回換気量は8ml/kg[理想体重]
◍プラトー圧を30cmH2O以下に抑える
◍中止要件がない限り、全例に最低限3~5cmH2Oの呼気終末陽圧PEEPをかけて肺の虚脱を防ぐ。
◍PEEPをかけていても、肺の部位によっては無気肺を生じる可能性があるので、適宜、肺のリクルートメント手技lung recruitment maneuver;LRMを行い、虚脱した肺を再開通させる必要がある。
◍肺保護の観点から圧を一定以下にすることを第一義的に考えるのであれば従量式調節換気よりも従圧式調節換気を用いるべきであろう。

○ ARDSの新しい定義Europian Society of Intensive Care Medicine, Berlin Definition
1) 発症:原疾患、呼吸器症状の出現、悪化から1週間以内
2) 胸部画像:両側肺の透過性減弱(胸水、無気肺、小結節などで説明できる場合を除く)
3) 心不全や水分過剰では説明のできない呼吸不全
(1) mild ARDS: P/F比201~300
(2) moderate ARDS: P/F比101~200
(3) severe ARDS: P/F比≦100
[いずれも呼気終末陽圧PEEPが5cmH2O以上かかった状態で評価。mild ARDSは持続気道陽圧CPAPでも可]
本改訂では、急性発症の期間を明確にし、画像診断をより明確に制限し、肺動脈カテーテルを用いる測定値を除外、そしてPEEPのかかった状態で酸素化を評価し、ARDSの重症度を3段階に分け、より重症のサブグループを作った。その過程でALIの記述はなくなった。
○ ARDSの旧定義1994
1) 急性の発症
2) 量肺野の浸潤影
3) 肺酸素化能の低下[P/F比(PaO2/FiO2)200以下をARDS、より軽症である300以下を急性肺障碍(ALI)と定義]
4) 心原性肺水腫の否定[肺動脈喫入圧pulmonary capillary wedge pressure (PCWP) 18mmHg未満または臨床的に左心不全の明らかな徴候なし]
◇ 倉橋清泰:併存肺疾患も考えた周術期肺保護戦略. LiSA Vol19, No9, 2012; 922-929
          <10/1/2012>

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