FC2ブログ

脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

50.04.02. 脳外科手術におけるTIVA

目次
50.04.02. 脳外科手術におけるTIVA
・脳の機能局在のモニターとして、電気生理学的モニタリングとPtを一時覚醒させ機能評価を行うawake surgeryが施行される。プロポフォールとレミフェンタニルによるTIVAはこれらに適した麻酔法である。
・レミフェンタニルremifentanil (RF)は脳血流量や頭蓋内圧への影響が従来のopioid同様少ない。二酸化炭素反応性も保たれる。
・RF大量投与では平均動脈圧を低下させ脳還流圧は低下するので注意が必要。
・揮発性麻酔薬はSEP,MEP共に抑制する。
・fentanylでは筋弛緩薬の制限を行った時は体動の危険性がある。
・fentanylは長時間麻酔になった時にcontext-sensitive half time(CSHT)の延長をきたす。
・脳外科手術後の覚醒後の呼吸抑制は脳血流量の増加から頭蓋内圧上昇をきたす可能性があり、避けねばならない。RFは投与時間が長くなってもCSHTは約3分
○ Propo + RFによるTIVA
・[導入] propoはTCIで投与。通常初期目標血中濃度は3㎍/mLであるが、2㎍/mlに設定。
・通常麻酔ではRF投与開始後にpropoを開始することが多いが脳外科手術ではpropoの感受性評価のためpropoから開始する。
・入眠時効果部位濃度(ECLC) 1.2±0.4㎍/kg、非脳外科手術では1.5±0.4㎍/mL。覚醒時の効果部位濃度は1.3±0.3㎍/mL。
・ECLC確認後は目標血中濃度をECLCの2倍程度に設定、以後はほぼ一定とする。
・Rv投与
・RF 0.25~0.5㎍/kg/minで開始。
・挿管時の血圧上昇を避けたいときはRF 1㎍/kg bolus ivする。
・揮発性麻酔薬で麻酔維持する場合は
 RF 0.25~0.5㎍/kg/minで投与開始後
 Propo 1mg/kg iv +吸入麻酔薬開始
・気管挿管時の循環変動を抑えることができる→頭蓋内圧亢進や脳動脈瘤破裂を避ける
・低血圧と除脈に注意 エフェドリン、アトロピンを用意、緊急手術例や高齢者ではpropo、RFを減量する。
・[麻酔維持]
 挿管後RF 0.25㎍/kg/minで維持。
 頭部ピン固定時、手術開始前にはRFを増量するか 0.5~1㎍/kg追加投与。
・開頭時はBP↑が抑えられるまで高用量RFを投与、0.25~0.5㎍/kg/minが必要なことが多い。
・開頭後、顕微鏡操作時はRF投与量を減量し、0.1~0.25㎍/kg/min程度で維持可能。
・MEPや脳神経モニターのため筋弛緩薬の使用制限あるいは中止する症例では0.25㎍/kg/minを目標に高用量で維持する。
・propoの目標血中濃度はECLCの2倍程度で維持する。
・[覚醒]
・皮膚縫合が始まった時点でpropoの目標血中濃度をECLCの1.5倍程度に減量。
・RFは維持量を継続し、ピン固定が抜去された後、RFとpropoを中止する。
・BP↑する症例では少量のRF投与、0.05~0.1㎍/kg/minを継続。
・[術後疼痛対策]
・フルルビプロフェン(ロピオン=NSAIDs)は脳循環に大きな影響を与えない。
・投与後7分で血中濃度は最高となり、半減期6時間。
・手術終了前、頭皮の縫合時に50mg ivする。
・transitional opioid
モルヒネ0.08~0.1mg/kgを硬膜縫合から皮膚縫合前後に投与。
 フェンタニル 1~2㎍/kgを創縫合時に投与。覚醒後早期に作用が消失するのでフェンタニル持続ivあるいは他の疼痛対策を併用する。
・創部の局所麻酔、手術終了時に支配神経ブロック
 長時間作用性ロピバカイン(0.75%)、エピネフリン添加ブピバカイン(0.325%) 20mL
◇森本康裕:脳外科手術におけるレミフェンタニルの使用法 日臨麻会誌 Vol27, No4, 2007. P395-401   <2/24/2015>

スポンサーサイト



PageTop