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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

204.05.06. 小脳橋角部腫瘍 cerebello-pontine angle tumor

目次
204.05.06. 小脳橋角部腫瘍 cerebello-pontine angle tumor
○ 小脳橋角部で顔面神経Ⅶと内耳神経Ⅷが延髄を去る
CP angle腫瘍:聴神経腫瘍80%、髄膜腫10%、類上皮腫6%
・手術はlateral suboccipital approachを選択することが多い
・手術による腫瘍摘出は顔面神経の機能や有用な聴力を温存しながら最大限腫瘍を摘出(良性腫瘍だから)
・体位:lateral position, 15°頭高位
・吸入麻酔薬は用量依存性に、ある程度短潜時の誘発電位の潜時を延長させる
・術中に顔面神経の電気刺激による誘発筋電図のモニタリングを行う
・筋弛緩薬は麻酔導入・気管内挿管時以降は使用しないように
・術中の体温の変化も反応の潜時に影響を及ぼす
・術直後、下位脳神経の症状、呼吸パターン、延髄刺激による悪心や嘔吐に注意する
・顔面神経・聴神経の機能悪化した場合 遅延性(1wk後)障害もある
・下位脳神経障害(嚥下障害)が出現した場合
嚥下障害:軟口蓋麻痺(迷走神経)、咽頭筋麻痺(舌咽神経)、舌麻痺(舌下神経)⇒誤嚥性肺炎
◇ 渡辺勝克成ら:聴神経 脳神経外科周術期管理のすべて 第3版、松谷雅生 編集、メジカルビュー社2009、p154-166

○ 小脳橋角部腫瘍摘出術:年間100例以上の手術麻酔例の検討
・体位:パークベンチ体位+頭回旋位
・propofol+Remifentanil(RF) 持続投与で導入維持
・propofol;target blood concentration 1.0~6.0㎍/ml
・RF;0.1~2.0㎍/kg/min
・Rocronium 10~50mg IV後、気管挿管 AO control ventiration
・顔面神経モニター、聴覚誘発電位モニター、症例により下位脳神経モニター⇒rocuroniumの追加投与なし。
・症例によりフルルビプロフェン(ロピオン)IV適宜
・術後鎮痛:ロピオン50mgIV、ペンタジン15mg or 30mg、ジクロフェナク坐薬(ボルタレン)25mg or 50mg、激しい疼痛+の症例ではfentanyl持続注、経口投与可能ならばロキソプロフェン(ロキソニン)po
・RF投与量:最小値0.24㎍/kg/min、中央値0.63、平均値0.67、最大値1.23㎍/kg/min
*一般にRF投与量の臨床研究では低用量0.1㎍/kg/min前後、高用量0.4㎍/kg/min前後
・RF+propofolはストレス反応抑制効果が高い。その効果はRF投与速度に依存する
・麻酔中RF投与は術後疼痛を遷延させ、用量依存性に増悪させる(可能性がある)
・小脳橋角部腫瘍摘出術中のRF高用量投与(>0.66㎍/kg/min)は術後3日目まで疼痛を遷延させる可能性がある
・小脳橋角部腫瘍摘出術中の小脳牽引などに由来する悪心・嘔吐・めまいなど小脳症状が必発
・若年層では麻酔中RF高用量投与が術後の遷延する痛覚過敏状態を惹起しやすい可能性がある
・術中ロピオン投与の効果は認められなかった
・小脳橋角部腫瘍摘出術の麻酔時間は9時間(手術時間7時間)
・RF投与後の全身的な痛覚の尖鋭化を考慮し、術中体位に由来する痛み予防のためにも麻酔中の不必要な高用量投与は避けるべき
◇ 小澤美紀子ら:プロポフォール・レミフェンタニル麻酔による小脳橋角部腫瘍摘出術後の疼痛―麻酔中レミフェンタニル投与量に関する後ろ向き検討―  日臨麻会誌Vol30、No7.2010、1037-1042 <7/15/2015>

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