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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

80.01.05. 術中昇圧薬の選択

目次
80.01.05. 術中昇圧薬の選択
○ 全身的に健康なPt
・フェニレフリン(=ネオシネジン0.1mg):血管収縮を起こすα受容体刺激薬
・エフェドリン、ドパミン:αβ受容体の両方を刺激し、心収縮力増強、心拍数増加、血管収縮
・アトロピン:高度除脈と低血圧が起きた場合
○ 重大な基礎心疾患を持つPt
◌ 冠動脈疾患PtがBP90/60mmHgの低血圧、脈拍80bpm:第1選択=心拍数を増加させないフェニレフリン。 
・エフェドリンを用いて心拍数増加し血圧上昇が不十分など心筋虚血を起こし易くなる
◌ 大動脈弁逆流症Ptが低血圧になったら、αβ受容体の両方を刺激する薬剤の方がよい。
・もとからの心収縮性がさほど悪くないなら効果のmildなエフェドリン
・心収縮性が高度に低下しているPt:ドパミン
・血管収縮のみを起こすフェニレフリンを過量投与すると後負荷増大、圧受容体反射による心拍数減少⇒左心室への逆流量増加⇒急性心不全を起こす可能性あり
・β遮断薬を使用しているPt:エフェドリンのβ作用が発揮されにくく昇圧作用も減弱する
○ 妊婦の低血圧:エフェドリンが第1選択とされてきた=血圧上昇による子宮血流量減少を伴わない。 フェニレフリンの使用も安全で第1選択
・カテコラミン:血圧は上昇させるが子宮血流量を減少させ、子宮胎盤循環が不良になり胎児の状態が悪くなる
○ 腎疾患Pt:腎血流量を増加させるドパミンが選択されることが多いが、ドパミンによる腎不全予防効果はない
・フェニレフリンやノルアドレナリンのようなα受容体刺激薬は腎動脈を収縮させ腎血流を減少させる可能性とされるが、実際には血圧上昇して尿量増加することもある
健康なPt冠動脈疾患PtARのPtβ遮断薬 Pt妊婦腎疾患Pt
フェニレフリン ○よくない
エフェドリンよくない ○軽症作用低下尿量↑も
ノルアドレナリン尿量↑も
アトロピン○除脈
ドパミン ○良くない予防なし

◇ 稲田英一. 麻酔への知的アプローチ 第9版 日本医事新報社、東京.2015,p33-34 <12/25/2015>

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