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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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10.08.04.02. レミフェンタニルの使い方

目次
10.08.04.02. レミフェンタニルの使い方
レミフェンタニルの高用量使用の立場から ◇1. 
・侵襲刺激は予測できないからこそ、必要十分に投与する
◍脳腫瘍に対し開頭腫瘍剔出術での症例検討
・手術当日は降圧薬のARBやACE阻害薬を休薬することが多い:麻酔導入後に中等度低血圧が生じるから⇒BPコントロールがよければARBやACE阻害薬は休薬する。Ca拮抗薬の持続投与を開始すればよい
・麻酔導入後の低血圧に対してエフェドリン、フェニレフリン(ネオシネジン)をシリンジに用意。ノルアドレナリンも手元に。
・脳外科手術は短時間に大きな侵襲刺激のon、offが繰り返される。
・血圧や心拍数の急激な増加はICP↑……脳ヘルニア、肺水腫、脳動脈瘤破裂のリスク
◍気管挿管:国内第3相試験のプロトコール;血圧、脈拍の変動が大で不十分
・remifentanil 1.0㎍/kg bolus→1.0㎍/kg/minでciv→挿管後0.5㎍/kg/min
気管挿管時に反応なしは90.4%、約10%はBP↑、体動+、remifentanilの効果部位濃度ESC16.8ng/ml、GOI(Iso 1%)でピン固定⇒BP40±6mmHg↑、心拍22±5bpm↑。一方、顕微鏡下覚醒下手術時では開頭後はピン固定部の局麻のみでも手術可能
◍この報告での実際の使用
・propofol TCI 投与量は実体重でESCは2.0㎍/ml実体重とする
 3~5分後に就眠したらその時のpropofolのESC(1.0~2.0㎍/ml)にTCI目標値を変更。
・remifentanil 1.5~2.0㎍/kg/minでpropofolと同時投与開始 就眠は3分後 
・remifentanil 200㎍(2cc)程、入ったところでRoc8mg;鉛管現象予防 Roc総量0.9mg/kg
標準体重ではなく実体重で。
・収縮期BP 50~150mmHgでは脳血流は一定に保たれる。>150で急に脳血流量↑
・remifentanil、propofolは同時に終了……抜管まで15~20分程度。早く声をかけると呼吸抑制や鉛管現象が起き易い。RemifentanilはOPE終了まで1.0㎍/kg/minで維持する
・長時間麻酔の場合シバリング予防にfentanyl 200㎍位を手術終了30分前に投与する
・術後疼痛は脳外科手術では多い(60-80%)、ロピオン、ボルタレン等を使用
・急性耐性、疼痛過敏:低濃度のremifentanil 0.1㎍/kg/minでも90分で耐性が出るという。
◇1. 高木俊一:LiSA vol20. No8. 2013, p772-776 <9/5/2013>

レミフェンタニルの低用量使用の立場から  ◇2. 
・バランス麻酔でプロとしてのワザを磨け
◍脳腫瘍に対し開頭腫瘍剔出術での症例検討
・標準体重に基づいて投与量を決定している
・降圧薬ARBは当日は中止。利尿薬はどちらでもよいがあえて投与する必要はない
◍propofolTCI投与+BISモニター  Roc持続IV
◍気管挿管
・remifentanil 1.0~1.5㎍/kg bolus投与
・propofol TCI 3~5㎍/mlで就眠させて:実体重で
・Roc 0.9mg/kg……2分待って挿管
◍麻酔維持
・remifentanil 0.1~0.25㎍/kg/min  BIS 40~60で安定するように
・血圧↑時にはremifentanil投与量の1/10をbolus投与
・OPE終了時にpropofolを就眠濃度に低下させる
 Remifentanilは0.1~0.25㎍/kg/minをピン固定をはずすまで持続
抜管後のBP↑を避けたい場合は0.05㎍/kg/minでremifentanilを持続する
・術後鎮痛のために、手術開始時にfentanyl150㎍IVし、手術終了時にロピオン50mgIV
◍remifentanil低用量では高齢者、脱水傾向でも過度のBP↓が起こりにくいが、突然のBP↑などが起こり易い。
◇2. 林浩伸ら:LiSA vol.20. No.8. 2013, p778-781    <9/6/2013>

レミフェンタニルはMEPモニタリングの救世主か? ◇3. 
◍特発性側弯症での症例検討
・特発性側弯症に対する手術は椎体の側弯回旋の矯正術:そのため、術中の矯正に伴う脊髄圧迫、虚血に伴う神経麻痺合併の危険性があり⇒MEPモニタリングを要する
・麻酔薬がMEPを抑制し、信頼できる測定結果は上肢94.8%、下肢66.6%
・propofolはMEP抑制効果が小さく、第1選択。吸入麻酔薬はMEP振幅減弱する
・remifentanilは濃度依存性にMEP抑制するが臨床使用濃度では影響はほとんどない
・fentanylはMEPの影響少なく、短時間作用性であるが蓄積性があり麻酔深度の調整や、術後早期の神経系チェックには不都合な点がある
・remifentanilの血中半減期は3~10分  長時間投与でも覚醒が速い
◍propofol TCI法で最小限の目標血中濃度にする  BIS値50~70になるように
remifentanil 0.15~0.4㎍/kg/minの範囲で増減して麻酔深度を調節する
・術中覚醒の可能性が高い(BIS値が高い場合)循環動態の変動、流涙、発汗など覚醒徴候に注意する。 BIS値が<40になるとMEPモニタリングは困難になる
・挿管時 必要最小限のRocronium(通常0.6mg/kg)  挿管時のRoc投与により直後のMEP波形が得られない場合は筋弛緩モニターで反応を確認してT1コントロール比が25%以下であればスガマデックスで拮抗する。Roc 0.6mg/kg投与後15分後に4mg/kgのスガマデックスを投与すれば2~3分でTOF比0.9まで回復する。  挿管時以外はRoc追加投与はしない……propofol+remifentanilで体動が起きないよう調整する
・propofol投与下で皮膚切開skin incision;SI刺激に対し血行動態の変動を95%のPtで抑制するremifentanilの効果部位濃度EC95(SI)は3.6ng/mlとされている。Remifentanilによる不動化を得るには0.15㎍/kg/min以上の投与速度(予測効果部位濃度 10ng/ml以上にすれば筋弛緩薬がなくとも挿管可能になる)
→MEP測定可能となる6ng/ml以下になるまで30分程度必要
⇒Roc0.6mg/kg投与してからMEP測定可能になる筋弛緩状態(T1コントロール比25%以上)までは40分程度
⇒筋弛緩薬を投与して挿管した方がbetterか?
・前投薬は投与しない
・術中モニターはAwake craniotomy麻酔管理のガイドラインを遵守する;BISモニターは必須。腹臥位になるため頭部電極の貼付部位に注意;枕に強く圧迫される部位は避ける
◍麻酔導入:propofolTCI法(目標値2.5~3㎍/kg)、就眠後remifentanil 0.25~0.5㎍/kg/minで投与開始
・マスク換気が可能であることを確認してRoc 0.6mg/kg投与
・腹臥位になってからMEP電極装着:T1コントロール比<25%になったら術者に警告する。MEP振幅消失したら術者に強く警告して積極的対処を促す
・術中覚醒試験を急遽依頼されたら、remifentanil 0.05~0.1㎍/kg/minの範囲で持続投与したままpropofolを中止して覚醒させる
◍術後鎮痛:脊椎手術の疼痛対策として(可能な限り)手術終了30分前にfentanyl 100~200㎍とフルルビプロフェン(ロピオン)50mgを静脈投与する。
手術終了直後からIV-PCA intravenous patient controlled analgesiaによるオピオイド投与:モルヒネ20mg+ドロペリドール2.5mg/NS加えて80mlを2ml/hrの持続投与とbolus投与(ロックアウト時間15分)
◇3. 北川裕利:LiSA vol.20. No.8. 2013, p782-786    <9/6/2013>

小児急性虫垂炎の場合  ◇4. 
・小児のレミフェンタニルの必要量は成人比べて多い
・絶食状態でも胃内容逆流することがあるので迅速導入が望ましい。吸入麻酔薬による緩徐導入は行うべきではない
◍導入:マスクで酸素化。 アトロピン 0.007~0.01mg/kg投与
・remifentanil 1㎍/kg/minで投与開始 fentanyl 1㎍/kg投与
・2分後にpropofol 2mg/kg bolust投与…持続投与
   Propofolの注入時痛を減らすためremifentanilの先行投与する
   Remifentanilの効果部位濃度をすみやかに上昇させるためremifentanil先行投与
      約15分かかるので0.5㎍/kg/minでは十分な効果が得られないことが多い
・輪状軟骨を圧迫しながら低圧10~15cnH2O程度で換気
・Roc 1mg/kg投与して挿管
◍維持:fentanylは終刀まで7㎍/kgを間欠的に投与。その後、術後鎮痛目的で6㎍/kg/hrで維持する。
・propofol導入時 2mg/kg bolus⇒
幼児では14mg/kg/hrで10分投与→12mg/kg/hrで10分→その後10mg/kg/hrで維持する
学童以上では 12mg/kg/hrで10分→その後8~10mg/kg/hrで維持
・BISとpropofol濃度の関連性は成人ほど強くない。BIS値目安にコントロールは難。
・remifentanil1㎍/kg/minで投与開始。Propofol注入時に0.5㎍/kg/minに減量維持。
・小児ではremifentanilによるBP↓の頻度は少なく、導入から終刀まで投与速度変更は必要ない
◍小児でのremifentanil投与速度が成人に比して速いのは薬物動態学的、薬理学的理由。成人の薬物動態モデルでは定常状態における投与速度(㎍/kg/min)と血中濃度(ng/ml)の比はほぼ1:25. 小児では1:10~1:20と小さくなる
皮膚切開時の疼痛刺激に対する体動を抑制する投与速度は小児の必要量は成人の約2倍。
◍術後鎮痛法:・閉創時の創部局所浸潤麻酔、・終刀後のアセトアミノフェン(20~30mg/kg)座薬、・fentanylによるIV-PCA
・fentanylは抜管時の予測効果部位濃度が1.0ng/ml位になる様投与する。麻酔の前半からfentanyl投与を開始しておくと総投与量は多くなっても手術終了時の血中濃度は下がっているため、覚醒時に呼吸抑制が問題となることは少ない。
◍急性耐性remifentanil:3時間程度の腹腔鏡下下腹部手術で0.6㎍/kg/minと0.9㎍/kg/min持続投与で急性耐性が生じたとの報告がある。
◇4. 原真理子:小児急性虫垂炎 LiSA vol 20, No.8. 2013, p788-791  <9/9/2013>
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