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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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90.05. 慢性腎不全(透析)Ptの麻酔

目次
90.05. 慢性腎不全(透析)Ptの麻酔
○ propofol
・透析Ptへの投与方法:腎クリアランスは全身クリアランスにほとんど寄与していないため、減量の必要はない。 Postgraduate Med J 61(Supple 3) : 62-63, 1985
・保存期腎不全Ptへの投与方法:減量の必要なし
○ チオペンタール ナトリウム
・透析Ptへの投与方法:75%に減量
・保存期腎不全Ptへの投与方法:CLcr>50mL/min;減量の必要なし。CLcr 10~
50mL/min;減量の必要なし。CLcr<10mL/min;75%に減量
○ レミフェンタニル塩酸塩
・透析Ptへの投与方法:減量の必要なし
・保存期腎不全Ptへの投与方法:減量の必要なし
○ イソフルラン
・透析Ptへの投与方法:腎機能がさらに悪化する恐れがあるため慎重投与になっているが、無尿の等席Ptでは減量の必要はないと思われる
・保存期腎不全Ptへの投与方法:腎機能がさらに悪化する恐れがあるため慎重投与になっているが、無尿の等席Ptでは減量の必要はないと思われる
○ セボフルラン
・透析Ptへの投与方法:腎障害のあるPtには慎重投与になっている。血清フッ素濃度が上昇し尿濃縮力低下、尿中NAD排泄上昇を伴うが臨床的に腎障害を引き起こしたわけではない(Anesthesiology 83: 449-458, 1995)ため、腎機能の廃絶したPtへの使用は問題なと思われる。 
その他の報告:腎毒性を持つcompound A濃度がセボフルランの投与依存性に上昇し、尿中アルブミン濃度、尿糖、alpha-glutathione-S-transferaseの有意の上昇をみとめる。2L/minで8hrのセボフルラン投与はcompound A濃度が240ppm/hrを越えるため一過性の腎障害を引き起こす可能性がある(Goldburg ME: Anesth Analg 88; 437-45, 1999)
・保存期腎不全Ptへの投与方法:代謝されてratでは腎毒性を示すcompound Aになるがヒトにおける臨床試験では腎毒性はみとめられなかった。(Higuchi H et al: Anesth Analg 92; 650-655, 2001) また血清Cr,BUN,BMGは異常値を示すが、繰り返し麻酔をしてもこれらの値が上昇することはない(Nishiyama T, Hanaoka K: Anesth Analg 81; 468-473, 1998)
○ フェンタニル
・透析Ptへの投与方法:減量の必要なし  その他の報告;常用量の50%減量
・保存期腎不全Ptへの投与方法:減量の必要なし  その他の報告;CLcr>50mL/min;減量の必要なし。CLcr 10~50mL/min;常用量の75%に減量。CLcr<10mL/min;常用量の50%に減量。
○ モルヒネ塩酸塩
・透析Ptへの投与方法:腎不全では代謝物の抱合体が蓄積し、傾眠傾向、意識障碍が現れることがありためやや減量(透析会誌 28; 357-361, 1995)  その他の報告;50~75%に減量、50%に減量
・保存期腎不全Ptへの投与方法:CLcr>50mL/min減量の必要なし、CLcr 10~50mL/min;75%に減量、CLcr<10mL/min;50%に減量。 その他の報告:CLcr>10mL/min通常用量、Clcr<10mL/min;50~75%に減量。
○ ドロペリドール
・透析Ptへの投与方法:尿中への未変化体排泄率が低いため、減量の必要はない。
・保存期腎不全Ptへの投与方法:尿中への未変化体排泄率が低いため、減量の必要はない。
◇ 平田純生ら編:透析患者への投薬ガイドブック 慢性腎臓病(CKD)の薬物治療 改訂2版、じほう 東京、2009
○ [注釈] 透析Ptの麻酔計画
◍導入:・fentanyl 2㎍/kg・IBW分割投与 ・remifentanil 1㎍/kg・IBW(=0.01cc/kg・IBW
・Propofol 2mg/kg分割投与 またはGOS(AOS)slow induction
・rocuronium 0.9mg/kg・IBW⇒挿管
◍維持:・GOI(GOS) またはAOI(AOS)またはpropofol持続
・remifentanil通常量 またはfentanyl(10/1)持続は通常の1/2位
◍覚醒:・remifentanil使ったらtransitional opioidとしてfentanyl100~150㎍
・fentanyl(10/1)持続使ったら早めに切る
・sugammadex 2mg/kg
○ [経験] 1)70歳♂、163cm,56kg SAH→clipping;fentanyl 100㎍+midazoram 5mg+OI+Roc0.6mg/kg⇒挿管 GOI+fentanyl50㎍間欠IV atropine+vagos⇒抜管
2)65歳♀、155cm,55kg SAH→clipping;fentanyl 100㎍+propofol 100mg+Roc0.5mg⇒挿管 GO+propofol持続+fentanyl50㎍間欠IV atropine,vagosなし抜管 7週後水頭症→LP shunt手術 同様の麻酔を行いatropin+vagos⇒抜管、ロルフェンIVもしたが覚醒遅延+
3)81歳♂、165cm,50kg 膀胱腫瘍→TUR-BT;fentanyl 100㎍+propofol 80mg+Roc 0.8mg/kg⇒挿管 AOS sugammadex⇒抜管
4)61歳♀、154cm,38kg S/C Ca→SR;remifentanil 0.1ml/min持続+propofol80mg+Roc 0.6mg/kg⇒挿管 AOI+remifentanil sugammadex⇒抜管
5)74歳♀、152cm,37.6kg SAH→clipping術後水頭症→LP shunt SAH術後腎不全+心不全⇒HD+ fentanyl50㎍+propofol60mg+Roc0.9mg/kg⇒挿管 AO+propofol持続+fentanyl(10/1)持続 atropine+vagos⇒抜管
6)62歳♂ 鼠径ヘルニア→ヘルニア手術 fentanyl125㎍/kg+GOS mask slow induction+Roc0.6mg/kg⇒挿管 GOS+fentanyl(10/1)持続 sugammadex⇒抜管
○ 透析Ptは術前に透析を受けるので、あまり困難ではないと思われる。むしろ腎機能の悪くないPtや保存期腎不全のPtの腎機能を麻酔で悪化させないようにすることの方が重要であろう。  <11/7/2013>
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