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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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203.04. 脳出血の血腫増大の診断

目次
203.04. 脳内出血の血腫増大の診断
○ CT Angiographyの”Spot Sign”は急性脳内出血の血腫の増大を予測する
・目的:特発性の脳内出血(ICH)の罹患率と死亡率は血腫の進行と関連がある。急性血腫の中の小さな造影される焦点(“Spot Sign”)の存在が血腫の増大と結びついているという仮説を立てた。
◍方法:特発性のICHを起こした連続した39例のPtで症状の出現から3時間以内にCT Angiographyを行った者を前向きに検討した。3人で読影した。Spot Signのあるなしで2群に分けて、臨床像および放射線的結果を比較した。この徴候の予測の価値は多変量解析で評価した。
◍結果:13例(33%)のPtが31の造影された焦点(病巣)を示した。基本的臨床的な変数は両群とも同等であった。血腫の増大は経過観察中に11例(28%)で起こった。血腫増大したPtの77%、増大しなかったPtの4%がSpot Signを示した。(P=0.0001) 血腫増大の感度91%、特異度89%、陽性予測率77%、陰性予測率96%、尤度比8.5であった。観察者間の合意度は高かった(0.92-0.94)
・Spot SignのあるPtで平均の容積変化はより大きく(P=0.008)、血管外漏出extravasationはより一般的で(0.0005)、平均入院日数はより長く(P=0.04)、予後の結果の良かったPt(modified Rankin Score 2)は少なかった。後者は有意の差ではなかったが(P=0.15)。水頭症(P=1.00)、外科的介入(P=1.00)、死亡(0.60)は両群間に差がなかった。多変量回帰ではSpot Signは血腫増大を独立して予測し得た(P=0.0003)。
◍結論:CT AngiographyのSpot Signは血腫増大の存在と大きさに関連していた。良好な臨床的予後を示したPtは少なく、入院日数は長かった。この徴候が臨床的な予後を予測する能力が有効であるとするためにはさらに検討が必要であろう。
◇ Ryan Wada et al: CT angiography “Spot Sign” Predicts Hematoma Expansion in Acute Intracerebral Hemorrage. Stroke. 2007; 38: 1257-1262
○ [注釈] 単に血腫の大きさだけで手術適応を決めるのではなく、さらにhigh risk群を選び出して外科的介入に結び付けようとするもの。   <11/18/2013>

203.04.02. 脳内出血のSpot Sign
○ CTAのSpot Signによる脳内出血の血腫増大の予測
◍高血圧性脳内出血ICHの中には来院後に急速な血腫増大を来たし、これに伴い神経症状が急速に悪化する例が見られる。このような例では予後不良となることが多く、早期に血腫増大を予測することで予後の改善が期待できる可能性がある。
◍来院したICHでは、入院時頭部単純CT、引き続いてperfusion CT、3D-CT Angiography.
1)発症24時間以内に来院、頭部単純CTでICHと診断、2)3D-CTAで明らかな血管奇形や動脈瘤、解離をみとめなかったもの、3)1回目の頭部単純CT施行後24時間以内にCT再検。 4/2008-12/2010 ICH237例中、1)2)3)を満たす症例123例で検討した。(除外例は入院後治療適応なしか死亡 84、脳幹出血および脳室内出血 21、CT再検24時間以内なし 3、data loss 4. )
◍24時間以内の再検頭部CTで血腫長径10%以上の増加 27例(22.2%):血腫増大群
それ以外の血腫増大をみとめなかった 94例:対照群
・入院時GCS≧9を意識良好、退院時Glasgow Outcome Scare(GOS) 3~5を予後良好。
・CTにおける造影剤の血管外漏出 Spot Sign (2mm以下)、contrast extravasation (>2mm)ともにSpot Signとした。
◍           血腫増大群 27 : 対照群 96
Spot Sign+:        13(48.1%)> 4(4.2%)   <0.0001 
抗血小板薬内服例      4(14.8%) : 6(6.3%)    0.132
抗凝固薬内服例      4(14.8%) > 3(3.1%)    0.017
初回CTでの血腫size 11.8-83.6(47.3)> 5.6-88.3(37.7) <0.05
手術(脳室ドレナージ、開頭血腫除去   >
退院時のGOS       17(36.0%)< 80(83.3%)    0.022
◍Spot Signは血腫内にみられるspot状の造影効果と定義され、出血が持続していることを反映している。
◍STICH研究においてテント上のICH Ptでは急性期の血腫除去術が予後に影響しないと報告しており、脳卒中ガイドライン2009でもICH Ptに対する開頭血腫除去術の推奨度はGrade C1となっているが、STICH研究は脳神経外科医が手術適応の判断に迷う症例のみを対象としたRCTであり、今回のような血腫が増大し、神経所見の悪化を伴う、いわゆる進行型のICHを対象とはしていない。ICH Ptの2割程度が、この進行形にあたり、手術適応を検討する必要がある。
◍血腫増大因子として確認された抗凝固薬、Spot Sign、血腫の大きさなどを参考に血腫の増大を湯側し、厳重に経過観察を行い、時期を逸せず開頭血腫除去術を行うことで機能予後の改善が望めるものと考える。
◇ 小関宏和ら:来院後に血腫増大がみられた高血圧性脳出血の検討. 脳卒中の外科 41:187-190, 2013 <11/20/2013>
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