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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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205.07. 内頸動脈内膜剥離術を施行したPtにおける領域麻酔と全身麻酔の比較

目次
205.07. 内頸動脈内膜剥離術を施行したPtにおける領域麻酔と全身麻酔の比較
○ 目的:CEAの時に使う望ましい麻酔は議論の分かれるところである。領域麻酔を主張する側は周術期合併症を減らすかもしれないといい、さらに手術時間と入院費を減らすという。麻酔方法が手術の結果に関与するかどうかを決定するために、32年間に行われた3975例の内頸動脈手術についてretrospectiveに検討した。
○ 方法:1962年から1994年までにNew York University, Division of Vascular SurgeryでCEA施行されたPtの記録を検討した。領域麻酔で手術されたPtと全身麻酔下に手術されたPtの術前リスク因子と周術期合併症に留意して比較した。
○ 結果:領域麻酔は3382例(85.1%)で行われていた。2群間に年齢、性差、併存する病気の比率に有意の差はなかった。
・全体で周術期脳卒中は2.2%、心筋梗塞1.7%、周術期死亡1.5%だった。麻酔方法によりこれら脳卒中、心筋梗塞、死亡に有意の差はなかった。
・全身麻酔群で周術期脳卒中(3.2% vs 2.0%)、周術期死亡(2.0% vs 1.4%)が高い傾向が窺われた。しかしながら手術適応について調べてみると全身麻酔を受けたPt群では領域麻酔群と比べて、術前に脳卒中を被るPtが多かった(36.1% vs 26.4%; P<0.01)。また対側内頸動脈の完全閉塞の頻度が全身麻酔群で有意に高かった(21.8% vs 15.4%; P=0.001)。
・全身麻酔群で周術期脳卒中が多かった傾向は上記のPt群の差によるものか、領域麻酔を支持する麻酔方法による実際の差なのか説明できるかもしれない。
○ 結論:多数のCEA手術のretrospectiveな検討で領域麻酔は多くのPtで良好な結果をもたらしたことが示された。全身麻酔に対する利点は小さいが技術の汎用性と安全性は血管外科医にとって彼らの外科的技術の中に含まれるのに十分な理由がある。CEAはその合併症率が極端に低く、堅固にコントロールされた手技であると考えるとprospective randomized trialがこの差を評価するためには必要である。
○ 表1.
Ptの特徴       全身麻酔 N=593 領域麻酔 N=3382        全体
TIA 46.6% 55.6%     p<0.001  54.4%
Stroke          36.1%       26.4%     p<0.001  27.7%
Contralateral occlusion 21.8% 15.4% p<0.001 16.3%
術後合併症
周術期stroke       3.2%        2.0%      NS     2.2%
周術期心筋梗塞      1.7% 1.7% NS 1.7%
周術期死亡率       2.0%        1.4%     NS 1.5%
・選択的シャントの頻度:領域麻酔群のうち372例(11.0%)にシャントを行った。このうち339例(91%)、全体の10.0%では術中に内頸動脈を遮断しているうちにPtが脳虚血の徴候を示したから。残る33例(9.0%)、全体の1%では全身麻酔を行うのに禁忌あるいは強い留保を持っているPtに念のために挿入した。
○ 討論:
・30年間4000例近くのCEAの症例で全身麻酔が15%、領域麻酔が85%で、領域麻酔から全身麻酔への移行が最近の255例中3%のみであり、無作為化されていない。
・麻酔法の選択はだれが決定しているのか:術者。術中に予防的シャントがより必要と思われるPt;術前に脳卒中を起こしたり、対側内頸動脈の完全閉塞のPtでは全身麻酔が選択されている
・全身麻酔への移行はどうしているのか:CEAになれた麻酔医
・術中の緊急シャント造設はどのように行っているのか:内頸動脈をtest clamping(約3分)してその反応に基づいてshuntを留置している。領域麻酔群の11%で使った。shuntを留置したPtで周術期合併症が多かったということはない。
・モニタリングと血圧コントロールはどうしているのか:両群とも同じように行っている。
・全麻でCEAを行っていると、術直後に高血圧になるが、cervical blockを行うと高血圧が起こらない。
◇ Caron B. Rockman et al: A comparison of regional and general anesthesia in patients undergoing carotid endarterectomy Journal of Vascular Surgery vol24. No6. P946-956, 1996 <1/27/2014>
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