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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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80.15.02. 肺塞栓症の診断と治療

目次
80.15.02. 肺塞栓症の診断と治療
○ point:(1)臨床症状や所見からとにかく本症を疑ってみることが重要
(2)抗凝固療法が治療の基本。禁忌でない限り、疑った時点より開始する
(3) 抗凝固療法の継続期間は血栓を生じた危険因子により決定
(4) 広汎型、亜広汎型には血栓溶解療法が推奨される
(5)残存した静脈血栓からの再発を防止することも忘れてはならない
1)病態:PTEの塞栓源の90%以上は下肢深部静脈あるいは骨盤内の静脈由来
◍肺塞栓症と肺梗塞の名称は明確に区別して使用すべき
○ 診断:腫瘍症状は呼吸困難と胸痛
2)スクリーニング検査:臨床症状、臨床所見、発症状況、危険因子の有無などからとにかく疑いを持つことが重要
(1)胸部X線:肺門部肺動脈拡張、末梢肺動脈陰影消失Westermark’s sign、knuckle sign、横隔膜挙上、心拡大
(2)心電図:V1-3での陰性T波
(3)D-ダイマー測定:高値をもってPTEの診断は困難であるが、正常値ではPTEを否定できる
(4)動脈血ガス:PaO2↓、PaCO2↓、A-a DO2開大、 正常値でも否定はできない
3)超音波(エコー)検査:経胸壁心エコーは診断のみならず重症度判定や予後にも有用。本症を疑った場合の必須の検査
4)肺シンチグラフィー(換気、血流)
5)造影CT:multidetector Ct. PTEの確定診断に使用される頻度が増えている
6)MRI
7)肺動脈造影:確定診断のgold standard
○ 治療:早い段階で的確に診断を下し、重症度に応じた適切な治療を迅速に行うことが重要
1)呼吸循環管理
(1)酸素投与:経皮的酸素飽和度を90%以上に維持するようO2を投与する
(2)昇圧薬:ドブタミン、ドパミン、ノルアドレナリン
(3)経皮的心肺補助装置PCPS 心肺停止前後に対する補助的治療手段
2)薬物治療
(1)抗凝固療法:禁忌例を除く全例に対して本症を疑った時点より開始する
・急性期に即効性のある未分画ヘパリンの静脈内投与を、慢性期にかけてはワルファリンの経口投与を用いる
・未分画ヘパリン 5000単位をbolus静注。APTT(部分トロンボプラスチン時間)をコントロールの1.5~2.5倍になるようヘパリン投与量を調節する
・ワルファリンはヘパリン治療下で開始し、ワルファリンが治療域で安定した後にヘパリンを中止する。PT-INRを2.0~3.0にコントロールする。わが国ではエビデンスはないものの1.5~2.5にコントロールされることが多い抗凝固療法の継続期間は危険因子の種類によって選択する
(2)血栓溶解療法:広範囲症例は血栓溶解療法の適応
非広範囲症例に対しては遊離する危険のある残存深部静脈血栓に対する再発予防を施した上で、未分画ヘパリンによる抗凝固療法のみで治療するのが適当である
(3)抗血小板療法:PTEに対する治療や予防(一次、二次的)には一般には用いられない
3)カテーテル治療:血栓粉砕吸引
4)下大静脈フィルター:再発のリスクを有することより残存血栓に対する適応も重要
5)外科的治療:人工心肺を用いた体外循環下に肺動脈切開し直視下に血栓除去
◇山田典一:肺塞栓症の診断と治療 血栓止血の臨床―研修医のためにⅡ 血栓止血誌 19(1): p29-34, 2008   <5/23/2014>
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