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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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80.15.02.02. 肺血栓塞栓症 疫学、病理

目次
80.15.02.02. 肺血栓塞栓症 疫学、病理
合衆国における肺塞栓症による死亡率の推移
○ National Center for Health Statisticsを使って集めた多原因の死亡ファイルを分析して肺塞栓症PTEに関する死亡について調査した。
◍病院データによる研究では年間1000名に1例、あるいは年間20万から30万の入院といわれている。前向き研究ではPTE後、3か月に15%が死亡すると推測されている。合衆国では年間5万から10万人がPTEで死ぬといわれている。
◍年        1977          1998
全死亡数     35750人        24947人
年齢補正     191人/100万人    94人/100万人
男性       17758人        11270人
年齢補正     232人/100万人    103人/100万人
女性       17989人        13675人
年齢補正     163人/100万人    88人/100万人
◍外傷、心臓病を伴ったPTE死亡は減って、癌を伴ったPTEが増えた。
◍1黒人男>2黒人女>3白人男(1の1/2)>4白人女>5他人種男(3の1/2)>6他人種女
◍1979年から死亡率は漸減して1998年には約1/2になった。
◍リスクファクター:外傷、骨折、周術期、肥満が大きな比率を占める
癌、特に卵巣、子宮、前立腺、脳が他の癌より比率が高い
血栓性静脈炎、肺線維症、肺高血圧症、炎症性腸疾患(Crohn病、UC)も比率が高い
◇ KT Holander et al.: Pulmonary Embolism Mortality in the United States, 1979-1998 An Analysis Using Multiple-Cause Mortality Data ARCH INTERN MED, Vol163, JULY28, 2003

院外発症の肺血栓塞栓症PTEによる突然死の病理的検討
◍院外発症PTEによる突然死51例の病理形態学的検討。
・塞栓源は50例が下肢、1例が上肢深部静脈血栓(DVT)
・組織学的に42例(82.4%)の肺動脈、深部静脈両者に新鮮,器質化血栓が混在していた。
・前駆症状を有する28例中10例が受診していたが、PTEを疑われたのは2例であった。院外発症PTEの多くはsubclinicalな履歴を有し、早期診断が突然死の予防に重要である。
・下肢DVTは6例が両側性発症だった。
・臨床例の報告では腸骨静脈圧迫症候群による左大腿静脈のDVTが多いといわれる。
・51例中39例で何らかの血栓形成因子があり。肥満、高齢など。12例はidiopathicDVT
・これまで1回発症型のため予見が困難といわれていた急性広汎性PTEによる院外発症の突然死の多くが剖検で得られた組織所見からはsubclinicalのPTEの既往を持つ慢性反復性PTEであったことを示唆している。
・本邦では欧米に比べ急性より慢性のPTE症例の比率が高いことが知られており、なかでも右室負荷を伴ったいわゆる慢性血栓性肺高血圧症chronic thromboembolic pulmonary hypertension; CTPHが多いといわれている
・慢性反復性DVTに起因する慢性PTEであればDVTの治療が必要である。
・欧米では1970年代をピークにPTEの減少がみられる。わが国では増加している。
◇ 呂彩子 ら:院外発症の肺動脈血栓塞栓症による突然死51例の病理形態学的検討 脈管学 J. Jpn Coll. Angiol 2003, 43; 627-632 <5/27/2014>
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