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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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201.09. くも膜下出血Ptの搬送

目次
201.09. くも膜下出血Ptの搬送
○ SAH PtのAN再破裂は状態悪化とともに予後不良へと導く重篤な事態である。
一般には初回発症から6時間以内が最も再破裂を来たしやすいといわれている。
・脳卒中専門医のいる病院へ一般には救急車で搬送されるが、長崎県の離島から国立長崎医療センターにヘリコプター(ドクターヘリ、海上自衛隊ヘリ、県防災ヘリ)で搬送されている。その搬送のタイミングについて検討した。
○ 再破裂の定義は画像上の血腫増大+急激な臨床症状の悪化がみられた症例とした。
・搬送中の鎮静・鎮痛・降圧はミダゾラム(ドルミカム)、ブブレノルフィン(レペタン)、ニカルジピンを適宜投与した。
○ 2007年1月から2012年12月の6年間に長崎医療センターに入院したSAH Ptは275例(46例/年)、そのうち離島発症137例(49.8%,26例/年)。そのうち発症後72時間以上経過していた12例を除外して125例を対象として検討した。
・男性41例、女性84例、平均年齢65.7±13.7歳
◍発症から搬送要請があった時点までの時間
・~3時間以内;23例(18.4%)、
・3~6時間以内;38例(30.4%)、
・6~12時間以内;28例(22.4%)、
・12~24時間以内28例(22.4%)、
・24時間以降;8例(6.4%)
◍ヘリ搬送中における急激な状態悪化例はなかった
◍6時間以内の早期搬送要請例61例中、再破裂2例、いずれも前医待機中に再破裂して緊急早期搬送となった。
◍再破裂例は125例中7例(5.6%)、うち5例は明らかに前医で再破裂。2例は臨床症状の急激な悪化はなく、再破裂時期は不詳
◍3例は椎骨解離性動脈瘤
○ 発症6時間以内の早期搬送自体に伴う再破裂は1例もみとめられなかった
○ SAHに対する急性期の外科的手術が確立し、自然経過をみる機会も少なくなるにつれて初回発作当日の再破裂が最も高く、特に6時間以内での再破裂の危険性とその頻度が非常に高い
・再破裂の際に問題となるのが血圧上昇とvalsalva負荷後の急激な髄液圧低下。
・血管造影検査がこのような状態を生じるので発症後3~6時間以内に施行すると再破裂を誘発し易いので、その間は検査は回避されてきた。
・最近は発症早期にCT Angiographyが施行され、十分な鎮静・鎮痛・降圧があれば再破裂の誘発にはつながらない。
○ 再破裂に関与する因子:脳内血腫合併例、6~10mm大のAN、後方循環のAN、blebの存在、水頭症、年齢、重症例。これといった誘因もなく再破裂する場合もある。
◇ 川原一郎ら:離島発症くも膜下出血患者のヘリコプター搬送のタイミングについて No Shinkei Geka 42, vol6, 2014, p537-543
○ [経験] 一般の救急車で搬送されてくるPtは特に鎮静・鎮痛・降圧されてくることは少ない。他院からの紹介(SAHの診断がついている)の場合は鎮静・鎮痛・降圧を依頼した方がよいと思われる。    <7/1/2014>
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