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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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130.04.07. ダビガトラン中和のためのイダルシズマブ

目次
130.04.07. ダビガトラン中和のためのイダルシズマブ
[背景] 非ビタミンK拮抗薬の経口抗凝固薬に対する特異的中和薬はない。イダルシズマブは抗体フラグメントであるが、ダビガトラン(プラザキサ)の抗凝固作用を中和するために開発された。
[方法] イダルシズマブ5g静注の安全性と、重篤な出血があるPt(group A)又は緊急処置が必要なPt(group B)でダビガトランの抗凝固作用を中和する能力を決定するためにこの前向きコホート研究が行われた。第1次評価項目end pointはイダルシズマブ注射後4時間以内におけるダビガトランの抗凝固能の中和の最大パーセントで、中央検査部で希釈トロンビン時間またはエカリン凝固時間により判定した。主要な第2次評価項目は止血能の回復とした。
[結果] 中間解析はイダルシズマブの投与を受けた90例(group A:51例、group B39例)を含んでいた。ベースラインで希釈トロンビン時間が上昇していた68例とエカリン凝固時間が上昇していた81例の最大中和率の中央値は100%(95%信頼限界100-100)。Ptの88―98%でイダルシズマブは検査結果を正常化しており、効果は数分以内に現れた。Ptの79%で非結合ダビガトラン濃度は24時間で20ng/mL以下外あった。評価しえたgroup Aの35例において止血は、それぞれの観察者によって決定されたものであるが、中央値11.4時間で回復した。緊急処置(手術)をうけたgroup B 36例のうち33例では術中止血能は正常で、2例で軽度の止血異常、1例で中等度の異常だった。抗凝固薬を再開しなかった1例でイダルシズマブ投与後72時間以内で血栓イベントが発生した。
[結論] イダルシズマブはダビガトランの抗凝固作用を数分以内に完全に中和した。
◇ C.V. Pollack et al. Idarucizumab for Dabigatran Reversal N. Eng J Med 373; 6 Aug6, 2015, p511-520  (抄録のみ)
[注釈] 血栓症の予防治療に用いられてきたワルファリンはモニターとしてPT-INRを使用する必要がある。最近は新規経口抗凝固薬としてダビガトラン、リバーロキサバン、エドキサバンなどが用いられてきている。これらはワルファリンと比較して効果発現、効果消失時間が短く、効果の個人差が少なく、他の薬剤との相互作用も起こしにくく、抗凝固作用のモニタリングが不要である。新規経口抗凝固薬は、血栓症によるイベント発生率をワルファリンと比較して同程度またはそれ以下に抑制することや、頭蓋内出血などの出血性合併症を低下させることが示されている。出血が起きた場合に、ワルファリンであればビタミンK,プロトロンビンコンプレックス、新鮮凍結血漿などで作用を拮抗することができる。しかし、新規経口拮抗薬には拮抗薬がなかった。 ◆稲田英一、LiSA,Vol22, No10, 2015, p1068
<11/2/2015>
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