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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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90.08.02. Parkinson病Ptの麻酔

目次
90.08.02. Parkinson病Ptの麻酔
○ Parkinson病薬の種類と副作用
・レボドパ[ドパストン]:ドパミンの前駆体=休薬による症状増悪と悪性症候群
・レボドパ+DCIの合剤[ネオドパストン、メネシット、マドパー]=同上
・ドパミンアゴニスト[カバラール、パーロデル、ビ・シフロール=同上
・MAOB阻害薬[エフピー]=術前2週間休薬.オピオイド代謝阻害.ペチジン(オピスタン、デメロール)併用禁忌。フェンタニル、レミフェンタニル、ドロペリドール、エフェドリン併用注意。
・COMT阻害薬[コムタン]=特になし
・アマンタジン[シンメトレル]=特になし
・抗コリン薬[パーキン、アキネトン、アーテン]=麻薬関連薬物として抗コリン薬(アトロピン、スコポラミン)で作用増強
・ノルアドレナリン前駆薬[ドプス]=ハロタンなどハロゲン含有吸入麻酔薬は禁忌
・ゾニサミド[トレリーフ、エクセグラン]=休薬による症状増悪と悪性症候群、MAOB阻害作用あり
○ 手術に伴う絶飲食への対応  パーキンソン病治療ガイドライン2011
1) 手術当日、朝1回1時間程度でレボドパ・DCI配合薬100mgに付きL-ドーパ50~100mgをdiv。2日目以降も同様な対応。症状に応じて増量してよい
2) 長期に経口摂取が不能であれば腸瘻を設置する
・ドパミンアゴニストはレボドパ換算量(プロモクリプチン10mg=レボドパ・DCI配合剤100mg)
・休薬期間短縮のため手術は朝1番にするのが良い
・手術当日朝のPD薬は内服継続し、術中追加投与はレボドパ静注薬[ドパストン]をIV or経鼻胃管
・ドパミンアゴニスト貼付薬[ニューロプロパッチ]、皮下注射用ドパミンアゴニスト[アポカイン皮下注]
○PD薬中断の問題点―――PD薬中断が長引いた時
・PD症状の増悪:1)麻酔覚醒時に筋強直:レボドパ静注薬の緩徐静注。振戦:抗コリン薬[アキネトン]緩徐静注
・悪性症候群の発症
○麻酔管理上使用すべきでない薬物
・全身麻酔の合併症を避けるため可能なら区域麻酔での手術が望ましい
・ 起立性低血圧、仰臥位高血圧のPtでは術中の体位による血圧変動に注意
PDと注意すべき麻酔関連薬物
◌吸入麻酔薬
・デスフルラン:記載なし
・セボフルラン、イソフルラン:レボドパ、ドパミンアゴニスト使用Ptで低血圧
・ハロタン:不整脈の可能性
・亜酸化窒素:筋固縮の可能性
◌静脈麻酔薬
・プロポフォール:一時的に振戦を改善、制吐作用あり。ジスキネジア増強。定位脳手術ではPD薬中止するため不可
・チオペンタール:おそらく安全
・ミダゾラム:使用可能、せん妄に注意
・ハロペリドール:錐体外路症状増悪に注意、禁忌
・ドロペリドール:錐体外路症状を増悪し得る、MAOB阻害薬使用Ptで特に注意必要
・ケタミン:筋固縮の可能性
・デクスメデトミジン:記載なし
◌オピオイド
・フェンタニル、レミフェンタニル:筋固縮を増強するので注意。術後鎮痛には好ましくないMAOB阻害薬服用Ptは肝でのオピオイド代謝が阻害されオピオイド過量状態となる。
・モルヒネ:筋固縮の可能性、少量でジスキネジア減少、増量で無動性増悪
・ペチジン(メペリジン):MAOB阻害薬の併用禁忌、興奮、筋固縮、異常発汗、高熱のため禁忌:モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ブプレノルフィンはこの作用はない
◌筋弛緩薬
・スキサメトニウムSCC:高K血症の可能性
・非脱分極性筋弛緩薬:おそらく安全
◌拮抗薬
・スガマデクス:記載なし
・ネオスチグミン:脳血管関門BBBを通過しないため安全に使用できる
◌循環作動薬
・抗コリン薬[アトロピン、スコポラミン]:PD Ptでは嚥下障害、流涎があり、周術期の誤嚥のリスクが高い。抗コリン薬は唾液の粘稠性を増加させ挿管抜管時の誤嚥を助長する可能性あり。術後呼吸不全、抜管後喉頭痙攣。PD薬として抗コリン薬を使用している場合は特に注意が必要
・エフェドリン:MAOB阻害薬使用Ptでは交感神経刺激作用が増強される
・ドパミン:末梢に作用する薬なので使用に問題はないが、作用が減弱する可能性あり
・Caチャンネル阻害薬:頻度は少ないがparkinsonismusを悪化させる報告がある
◌制吐薬
・メトクロプラミド[プリンペラン]、プロクロルペラジン[ノバミン]は中枢性ドパミン拮抗作用のため避けるべき。
・ドンペリドンは末梢作用で使用可。   
◇村岡裕ら. 神経精神疾患と麻酔 Parkinson病 LiSA Vol22. No12, 2015,p2012-2016
○ [注釈] PD Ptに全身麻酔を行うとしたら(他の合併症は考慮せずに)
1)チオペンタールで導入、エスラックスで挿管し、Des+レミフェンタニルRFで維持。リバースはブリディオンを使う。ワゴスは使えるがアトロピンは使えないのでよろしくない。
2)propofolで導入、エスラックスで挿管、propofol+RFでTIVA.エスラックスを使えばジスキネジアもない。ブリディオンでリバース。
・術後鎮痛はアセトアミノフェン[アセリオ]+NSAIDs[ロピオン、ボルタレンsp]+blockまたは局麻
・術中の昇圧はフェニレフリンまたはノルアドレナリン   <2/8/2016>
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