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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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80.04.02. 術中の低酸素血症

目次
80.04.02. 術中の低酸素血症
○[症例検討] 呼吸器合併症があるPtの腹腔鏡下子宮筋腫核出術
[症例] 26歳♀、身長166cm,体重52kg。子宮筋腫→腹腔鏡下子宮筋腫核出術予定。喫煙歴+,10本/日×5年間。気管支喘息+,ベクロメタゾン吸入。頭低位としてオキシトシンを子宮内に注入して5分後、吸入酸素濃度40%にも拘らずSPO2が100→92%に低下した。
・術中の比較的高濃度O2(40―50%)吸入ではSPO2の高度の低下はあり得ない。肺に問題のないPtならPaO2は150-200mmHg位。術中にSPO2が95%まで低下したとするとPaO2は80mmHg程度。酸素化能は約半分まで下がったことになる。
1) 従量式調節換気(VCV)の場合、気道内圧の変化を見る
2) カプノメータの波形と気管チューブの深さをチェックする
3) 用手換気にして胸部の聴診,視診を行う
4) SPO2が90%より低下しそうなら吸入酸素濃度を100%に上げる
・VCVの場合、気道内圧↑は痰詰まり、気管チューブの屈曲,位置異常、喘息発作など
 気道内圧↓は呼吸回路のどこかにリークがある
・従圧式調節換気(PCV)では1回換気量の減少
○カプノメータ:喘息発作などの閉塞性換気障害では、息が呼出しにくいから第3相波形が右肩上がりになる
・呼気二酸化炭素濃度は通常、気腹開始から30分位で上がり止まる
・分時換気量を増やしても上昇が止まらない場合(50mmHg位まで上昇することがある)は二酸化炭素による皮下気腫か気胸を考える。気腹による気胸は横隔膜の脆弱な部位から二酸化炭素が胸腔に入り生じる
○気管チューブの深さ:気腹して頭低位にしたらSPO2が低下した場合、気管チューブの位置異常の可能性がある→気管分岐部を越えて片肺換気になることがある;術中Xpは時間がないので聴診、気道内圧で判断。気管支鏡で確認するのもよい。166cm,♀では深さ20-21cmが妥当
○聴診と視診、用手換気による触診:用手換気で肺コンプライアンスを感じる。麻酔回路にリークがあればすぐわかる。痰が多いと湿性ラ音+、喘息では呼気終末喘鳴wheezing+。心不全でも喘鳴+。
○吸入酸素濃度:小児の場合は機能的残気量が少なく、酸素消費量が多いので急にSPO2が低下するので、すぐに100%酸素に切り替える。成人の場合SPO2が92%ならば治療による成果を確認してから酸素濃度を上げる余裕はある。
・このPtでは喫煙者→痰詰まり→無気肺、片肺挿管、気管支喘息発作などの可能性が大
○無気肺:気管吸引、気管支鏡による吸引。用手的に加圧、リクルートメント。肺を膨らませるためには最初に高めの換気圧opening pressureが必要→PEEPをかける。術中酸素化障害の大半は無気肺。
○片肺挿管:チューブを浅くして再固定
○喘息発作:β刺激薬(サルブタモールなど)。麻酔回路にスペーサーを取り付け、4-5パフ噴霧→ステロイド静注(メチルプレドニン125mg)、アミノフィリン持続静注(500mg/日:負荷投与250mg/30分)
○気胸:肺自体に損傷はないので気腹中止すれば改善する
◇ 三村文昭:術中の低酸素血症2 症例検討 呼吸器合併症があるPtの腹腔鏡下子宮筋腫核出術 LiSA Vol21, No1, 2014, p28-31      <12/7/2016>
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