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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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10.08.03.04. 術中のフェンタニルの使用方法


目次
10.08.03.04. 術中のフェンタニルの使用方法
・通常使用しているfentanylの投与量では血中濃度(または効果部位濃度)は1.0~2.0ng/mL程度
・MACは麻酔薬の脊髄反射の抑制度を見たものでありMACawakeは麻酔薬の大脳への作用と関連したもの
・通常のfentanylの使用ではSevoflurane麻酔からの覚醒にほとんど影響しない
・1.0~3.0ng/mLのfentanylはpropofol麻酔からの覚醒に影響していない
・fentanylは基本的に麻酔からの覚醒にほとんど影響しない----麻薬の使用により覚醒遅延が生じるのではなく覚醒遅延の大部分は麻酔薬の相対的または絶対的過剰投与
・麻酔薬濃度の上昇による血圧低下作用は心血管系への直接作用の結果であり、侵害入力抑制の結果ではない----従って術中に麻酔薬濃度を調節する意味はほとんどない。術中の侵害入力を適切にコントロールするためには硬膜外麻酔などの神経ブロック、もしくは麻薬を使用する必要がある
・無意識や無記憶が得られていれば、それ以上高濃度の麻酔薬は必要ない
・fentanylは代謝物の活性は無視できる
・一般的にはfentanylは効果部位濃度が0.8~1.0ng/mL以上で鎮痛効果を発揮する。また2.0ng/mL以上になると呼吸抑制を生じる危険性がある。しかし同一薬物効果部位濃度に対する感受性の個人差がある
・一般的には麻薬を単独で使用している場合には痛みを感じている濃度では呼吸抑制が生じることはない
・術中に適切な鎮痛効果を得るために必要な効果部位濃度は1.5~3.0ng/mL程度。呼吸抑制が生じる効果部位濃度は2.0ng/mL以上である→最悪でも覚醒時のfentanylの効果部位濃度は維持時の2/3にさえなればよい
・一般に侵害刺激は交感神経系を緊張させ、結果として血圧上昇や心拍数増加をきたす。特に心拍数増加は血圧上昇よりも信頼できる指標である。手術刺激に反応して心拍数増加が認められる場合には、fentanylの効果不足を疑い1.0㎍/kg程度追加投与する。術中の体動や自発呼吸の出現も鎮痛効果不足の兆候。
・1.0㎍/kgのfentanylを追加投与しても効果部位濃度は20~30分程度で追加投与前のレベルに復する。手術終了間際であってもfentanylの効果が不足していると判断された場合は追加投与すべき
・気管チューブ抜管後にPtが創部痛を訴えた場合には、その時点で1.0㎍/kg程度のfentanylを追加投与する
・麻酔薬投与中止後、麻酔薬濃度が高いうちに覚醒してきたら(血圧上昇、心拍数増加、自発呼吸の早期発現および頻呼吸などは鎮痛効果不十分のサイン)fentanylを成人なら1.0㎍/kg、小児(幼児以上)なら2.0㎍/kgを追加投与する
・覚醒時に創部痛を訴えたり、不穏になったり高血圧や頻脈が生じたりする大部分の原因は鎮痛不良。鎮痛が十分であれば抜管前後に降圧薬やβ遮断薬が必要になることはほとんどない
・覚醒させるときに呼吸抑制が生じた場合:麻酔薬を中止後、自発呼吸は出現したが呼吸回数が10回/分未満になった場合、麻薬による呼吸抑制。(8回/分以上でも可)
ナロキソンによる拮抗:ナロキソンン0.2mg/2mL/1Ap+NS8mL⇒0.04mg/mL→ナロキソンNS 3mL=0.12mg   成人の場合0.04mgずつ2回までivして経過を見る。呼吸数10~12回/分程度になればOK.拮抗できたらナロキソン0.12mg im
ナロキソンNS 2mL(0.08mg)投与しても拮抗困難な場合はfentanylがかなり過量投与。
・麻薬使用時の術後悪心嘔吐(PONV)に対する対策:女性の手術ではTIVA麻酔が有効(propofolの制吐作用)  droperidol1.0mg程度iv(0.4mL)。droperidol25mg/10mL/1V=1.25mg/mL=1.0mg/0.4mL=0.625mg/0.25mL
○古い文献でremifentanil以前の論文であるがfentanylの使用上の注意がよくわかる
◇萩平哲 術中のフェンタニルの使用方法について 日臨麻会誌Vol26, No7, 2006, p638-645     <2/20/2017>
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