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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

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10.03.04.02. 手術室外でのカプノメータ(2)

目次
10.03.04.02. 手術室外でのカプノメータ(2)
○ カプノグラフィ、特に手術室外での使用についての総説
◇Brabani Shankar Kodari, MD : Clinical Concepts And Commentary: Capnography Outside the Operating Room Brigham and Womens’ Hospital, Harvard Medical School, Boston Mass USA
○[手術室外でのカプノグラフィの現在の状態]
・過去2年間にASA(New standards of Basic Anesthesia Monitaring, July 2011発行), AAGBI(Updated statement from AAGBI, May 2011), American Heart Association(2010)が手術室以外のカプノグラフィの使用について推薦を改訂、最新化した。最近の研究ではICUにおけるカプノグラフィの未使用に関係する罹病率と死亡率が強調された。加えてFOX newsとNational Public Radioが心肺蘇生(CPR)におけるカプノグラフィの役割を宣伝し公共の関心がもたらされた。
○[鎮静処置Procedual Sedationのためのカプノグラフィ]
・interventional radiology透視下血管内手術、電気生理学、心臓カテーテルの進歩と共に手術室外でなされる鎮静を要する処置の数が相当に増えている。これらの処置の多くで鎮静は外科的、放射線科的、内視鏡的処置を行っている医師の管理のもとに、看護師によって行われている。これらの鎮静処置症例で低酸素症が起きていることはよく知られている。77例の救急室での処置にミダゾラムとケタミンが使われて、6%が陽圧呼吸を要するapnea無呼吸になり、75%がこの処置のいくつかの時点で低酸素症(酸素飽和度<90%)になっている。地域救急部門での鎮静処置の分析(ProSCED)のデータでは、地域病院の救急室で行われた処置(14病院の1000名)の結果は全合併症率4.1%で、Ptの1.1%は補助呼吸を要した。内視鏡的逆行性膵胆管造影ERCPの研究では96%のPt(3058/3179)が消化器病医の監督下に鎮静を受けて、全死亡率は0.06%であった。ミダゾラムmidazolam、プロメサジンpromethazine(ヒベルナ)、メペリジンmeperidine(オピスタン、デメロール)がこれらの症例では使われていた。124例のPtでは呼吸抑制と傾眠に対し拮抗薬が必要であった。このサブグループでは罹病率6%、死亡率1.6%であった。上記研究で使われたいくつかの薬物をプロポフォールに替えても低酸素症のリスクを排除できなかった。非麻酔科医、(麻酔科医以上に換気(呼吸)を安全に維持することが上手ではない)誰かによって鎮静が行われた時に、より厳重なモニタリングの基準が強調されなかったということは皮肉である。
・さらに、多くの処置を行う部署は、しばしば主に救急援助を供給する手術室職員から遠いところにある。それ故、手術室外で行われた処置の症例のためにモニタリング基準が再評価されるべきである。ASAとAAGBIは鎮静処置の場所に拘りなく、鎮静が行われるPtの安全性を高めるために、カプノグラフィによるモニタ換気のために2011年改定基準を出版した。中等度から高度(深い)鎮静の間のカプノグラフィによる換気の持続的モニタリングの基準は、個々のPtが投与された鎮静薬にどのように反応するか予測することは困難であるという事実に基づいている。
・救急室でプロポフォール鎮静を受けるPtにおけるRCTで、一方のグループは医師が治療してカプノグラフィを利用し、他のグループはそれを受けなかった。低酸素症は酸素飽和度が15秒以上にわたって93%以下になる時と定義され、呼吸抑制はPETCO2が50mmHg以上でPETCO2値が基準線より10%以上、絶対的に増加あるいは低下した時、またはCO2波形が15秒以上見られなかった時と定義された。低酸素症hypoxiaはカプノグラフィを付けた対象の25%で観察され、カプノグラフィを目隠しした対象の42%で見られた(P=0.035)。この研究の意義で別の興味深い観察はカプノグラフィの変化は全ての低酸素症の症例で呼吸抑制の前触れになったということである(感度100%,特異性64%)。低酸素症になる呼吸抑制のカプノグラフィ上のエビデンスの中央値は約60秒だった(区間5―240秒)。最近のメタアナリシスは、これらの症例でカプノグラフィがあろうがなかろうが鎮静処置の間の有害な呼吸イベントを含んだ研究を論評した。カプノグラフィを使わなかった症例の中で鎮静を受けているPtのモニタリングの基準はパルスオキシメトリpulse oxymetryと目視による胸部拳上であった。その結果、呼吸抑制は、鎮静処置の間にパルスオキシメトリと目視の胸部拳上に加えてカプノグラフィが使われた場合と使われなかった場合でおよそ17倍であった。さらに最近発表された研究ではhypoxiaは最も一般的な消化器内視鏡処置の間でさえ起きている。
・プロポフォール鎮静下(カプノグラフィあり)で行われた大腸内視鏡検査はカプノグラフィが目隠しされたグループと比較してカプノグラフィが早期の介入の引き金になり、酸素飽和度低下oxygen desaturationの頻度を減少させる。さらにカプノグラフィの積極的効果は高度の低酸素血症(酸素飽和度<85%)の発生率を比べた時によりはっきりと言明することができる。カプノグラフィを使用したグループは標準的モニタリングのグループと比べてこれらのイベントの頻度が半分以下になった。これらの研究は鎮静処置中のカプノグラフィの重要性と有用性を示している。しかし、これらでは酸素あるいは空気で呼気ガスが希釈され、呼気終末CO2の数値が正常のものより低くなっていることを強調しなくてはならない。この様な状態で大事なことは基準PETCO2値、波形の変化、呼吸数の変化の検出である。それぞれの変化は鎮静供給者がより厳密にPtの気道閉塞、呼吸抑制について警戒すべきである(Fig.3)。もしも努力呼吸が目視されたら下顎の挙上のような簡単な操作で過度の鎮静とPETCO2値の増加の結果としての部分的気道閉塞に打ち勝つことができるであろう。

Fig.3. 鎮静後のカプノグラム。(A)に比べて(B)では高さが減少している。(D)では呼吸数が(C)に比べて減っている。鎮静前のカプノグラムと比べて鎮静中のカプノグラムの変化を認識するのが重要である。鎮静前のカプノグラムの波形は呼出されたPCO2が酸素または空気による希釈次第である。

○ASAとAAGBIの推薦は、主にASA及びAAGBIメンバーだけに適応され一般的に広く受け入れられてはいない(American Society of Gastroenterologists Document 2012)。この相違はしばしば国際的協会の会議の、手術室外での鎮静処置のためのカプノグラフィの導入を考慮する際の議論のカギになる。協会のグループメンバーに、カプノグラフィはPtの安全性を保証する重要な道具であると確信させるのは麻酔科医の責任である。American Society of Gastroenterologistsはカプノグラフィは全ての中等度鎮静の症例に使われるべきであるというASAやAAGBIの基準に同意していない。今年出版された声明で消化器内視鏡の鎮静が関与した死亡率は8/10万でこれは非常に安全であると彼らは考えている。現在、麻酔関連の死亡率は術後病院退院数100万人当たり8.2である。これは全身麻酔の結果よりも消化管処置中の死亡がに10倍であることを示している。パルスオキシメトリと併用したカプノグラフィはASAによって導入されたが、80年代中ごろのこれらの新しいデバイスが死亡率を減らしたというRCTの成績に基づいたものではなく、パルスオキシメトリと併用のカプノグラフィが麻酔による罹病率と死亡率に関与する麻酔中の不幸な事故の93%を予防したという論理的な結論に基づいたものである。死亡率に関するパルスオキシメトリとカプノグラフィの直接的利点を示す前向き無作為比較研究がないにも拘らず、麻酔の死亡率を1/1万から1/10万麻酔へと減らした、これらの決定の潜在的利点が分かった。
・消化管処置は思い描かれているほど良性(穏やか)ではない。ASAのClosed Claims Database Analysisによればクレームの24%は内視鏡関連である。カプノグラフィはこれらのいくつかは予防できた。American Society of Gastroenterologists文書は鎮静を要するERCPと内視鏡的超音波検査でのカプノグラフィの有用性に同意したが、通常の内視鏡検査に対するカプノグラフィの使用には激しく反対した。しかし最近の研究でカプノグラフィは通常の大腸内視鏡の時に低酸素症を50%以上減らしたことを示し強調している。この種の研究は消化管医や他の臨床医の理解を変え近い将来カプノグラフィの価値の認識を変えるだろう。
・その間に我々は手術室外での鎮静のためのカプノグラフィの導入についての議論にどのように対処すべきであろうか。7つの枝分かれした議論があるだろう。
(1)closed claimsのデータベースの中で最も一般的な損害のあるイベントは呼吸系のイベントである。
(2)低酸素症のエピソードはカプノグラフィがある時よりもない時の方が起こりやすく、カプノグラフィは、介入なしでは低酸素症へ導かれ易いイベントの検出を促進する。
(3)低酸素症の発生はERCPや超音波内視鏡検査の時に限らず大腸内視鏡検査のような通常の処置でも起きる。
(4)検査(処置)を行っている医師は彼または彼女のPtが検査中に低酸素の領域に入らないように十分慎重であるべきである。
(5)日常的にカプノグラフィを使い、その使用と理解の経験を経て、鎮静の供給者はより困難な症例でカプノグラフィを正確に解釈することができるようになるだろう。
(6)歯科の症例や内視鏡検査の間の鎮静処置の結果による悲惨な死亡の逸話的な症例報告がなされている。
(7)最後に、MedicareとMedical Survicesの最新のガイドラインは麻酔部門が施設内の鎮静処置を監督することを要求しており、ASA基準に従いカプノグラフィで呼吸をモニタすることは賢明である。
・ASAの最近の推薦,Center of Medicare and Medicaidにより出版されたガイドラインを心に止めて、施設横断的鎮静の実施の一貫性を持って、我々の施設では場所に拘らず中等度の鎮静を要する全てのPtでカプノグラフィで呼吸をモニタすることを2012年10月に決定した。必要な職員の教育と訓練は現在進行中である。
○[Cardiopulmonary Resussitation (CPR)心肺蘇生中のカプノグラフィ]
・ACLS二次救命処置の2010年改訂版ガイドラインは定量的カプノグラフィ波形の使用を、気管チューブの場所の確認だけでなく、胸部圧迫の有効性のモニタとして推薦した。急性の状況で換気を与えるためにPETCO2は胸部圧迫によって発生された心拍出量の間接的モニタを提供する。自発的循環の回復(ROSC)は他の方法では評価するのがしばしば困難であるが、突然PETCO2が増加することによってカプノグラフィに明らかに表示される。持続的波形カプノグラフィは気管チューブの誤挿管をパルスオキシメトリより速く直ちに検出する。有効なCPRを導くカプノグラフィの役割は永年知られていたが、この概念をACLSガイドラインに承認し実行するには20年かかった。いくつかの組織、団体からの入力、データ集積及び分類、備品の利用性はこの遅延を起こした要因ではないだろう。にも拘らずカプノグラフィはACLSのガイドラインに今や採用され、日常的使用の実行では訓練の強制と備品の利用性を与えられるのにあまり年数はかからないであろう。英国UKのNational Audit Projectの所見に基づき、AAGBIもadvanced life support(ALS;二次救命処置)を受ける全てのPtでカプノグラフィの使用を支持した。カプノグラフィはいまだ蘇生カートの標準になっていないがALS二次救命処置では直ちに使用されるべく努力すべきであるとAAGBIは正式に決定した。
・CPR中カプノグラフィの波形は平坦ではなくプラスの波形であるべきである(Fig.2N)。CPR中のカプノグラフィの線が平坦だったら救命処置のリーダーは気管チューブの位置が誤っていると注意すべきである。最近の後ろ向き観察研究では心拍再開(return of spontaneous circulation :ROSC)したPtは心拍再開しなかったPtと比べて、より有意に高いPETCO2値を示したが、CPR中のPETCO2値の予後的価値を確かめるのは困難である。CPR中のPETCO2値はCPRの有効性に依存するだけでなく、心停止の心臓・呼吸・あるいは肺塞栓のような当初の原因によるからである。この様な不確実性にも拘らずCPR中のPETCO2は生存の予測として使われうる。
・Levinらは病院外での心停止の犠牲者連続150人の前向き観察研究を行った。Ptらは気管挿管されPETCO2値を蘇生中に測定された。そしてPETCO2値が10mmHg以下、あるいはACLS開始後20分以下では心停止Ptの死亡を予測できた。最近数学的モデルがCPR開始後の「時間対PETCO2値」の予後的価値の決定を作り出した。心拍再開のあったPtとなかったPtのPeak PETCO2値は挿管後4―5分では異ならなかったが8―10分では有意に異なっていた。心拍再開のなかったPtではROSCのあったPtよりもPETCO2カーブのarea under curveが(4―10分で)有意に小さかった。
・積算最大呼気終末二酸化炭素が5分から10分の間の全ての時間で予測された(感度88%、特異度77%、<0.001)。この研究の著者らはこのモデルを使えば蘇生が成功する結果はCPR開始後の症例の70%で、10分以内に予測できると主張している。この考えは体外式蘇生の開始の決定にCPR中のPETCO2を使うことに現在かなりの興味がある。
・フランスのガイドラインで治り難い心停止のPtの体外式蘇生の開始に準備の1つとしてCPR中のPETCO2が10mmHgかそれ以上であることを含んでいる。
・ACLSのためのカプノグラフィの使用に関する最近の推薦で相当に強いデータが、将来の神経学的結果を予測するためにCPR中に達成されたPETCO2値が決定されるであろう。その様なアウトカム研究が出版されるまでカプノグラフィはCPRの有効性を評価するために使用されるべきである。CPR中にPETCO2値が衰えていくことは救助者が疲れているか、胸部圧迫が効果がないことを示しているかもしれない。チームリーダーはCPR中に発生した心拍出量の減少の他の因子、出血・タンポナーデ・気胸などを探すよう警告しなければならない。
・2011年に出版された症例報告で、食料品店で心停止を起こして倒れた54歳男性のCPR中のカプノグラフィの仮説的価値が説明されていた。有効なCPRが行われ続け蘇生チームは蘇生努力を96分間続けて、自発の心拍と循環が最終的に回復したことをカプノグラフィは保証した。蘇生の間を通して呼気終末二酸化炭素は終始変わらず、心室細動VF/CPRの間中28―36mmHgの範囲であった。CO2のこのレベルは蘇生の継続を正当化する有効な肺血流量を発生させる有効な胸部圧迫と矛盾しない。12回目のショックが心室細動VFをきちんと整ったリズムに戻したとき、脈拍は触れなかったが37mmHgのPETCO2は自発的循環が再開したことを示し、CPRは終了した。Ptは冠動脈ステント術を受け、10日目に神経学的あるいは認知的欠損症状なく退院となった。FOX NewsとNational Public Radioは公衆に対しカプノグラフィとそのCPR中の価値を含めて説明しこの物語を報告した。
・現在のACLSとAAGBIのガイドラインに基づいてカプノグラフィ・ユニットを移動性のcode stand(蘇生スタンド)に乗せている。ユニットはcodeの最初の通知で電気がつくのでcode team(蘇生チーム)がcodeの場所に着くまでにはキャリブレーションが済んでいる。さらに加えて予期せぬ挿管困難のためにビデオ喉頭鏡が付いている。
○[ICU内のカプノグラフィ]
・多くの集中治療医がカプノグラフィの価値を認識しているにも拘らず、ICUで日常的に換気をモニタするためにカプノグラフィを実行するための強化された組織的努力はなされていない。ICUで日常的にカプノグラフィを使用しているのは22―64%とさまざまである。いくつかのヨーロッパの国ではよりしばしば日常的に使用されているが、それはヘルシンキ宣言のためである。ヘルシンキ文書は(2019.6月)the European Board of AnaesthesiologyとEuropean Society of Anaesthesiologyが周術期ケア、集中治療、救急医療、疼痛治療の領域で仕事している麻酔科医により治療されているPtの安全性を改善するために連携して準備された。研究の結果”Fourth Nationa Audit Project”はRoyal College of AnaesthetistsとDifficult Airway Society of United Kingdomと連携して臨床医がよりしばしばICU内でカプノグラフィを使うように促すべきであるとした。
・これは無作為研究ではないが前向き研究で、麻酔中、ICU内で、救急部で重篤な気道閉塞のデータが集積、分析された。気道管理の大きな合併症(死亡、脳死、外科的気道の緊急性、予期しないICU入室、長期化したICU滞在)は1年間の全National Health Service Hospitalから得られた。2008―2009年の研究からのデータで、持続的カプノグラフィでモニタされ全身麻酔を受けた300万Pt中16名に気道による死亡がみられた。1/18万の死亡率だった。同様に人工換気を受けているICUのPt48000人のうち18人の死亡があり、死亡率は1/2700であった。これらのデータは持続的カプノグラフィが標準的ケアになっている手術室と比較して、カプノグラフィが使用されていないICUにおける気道の悲惨な事故は66倍である。この研究グループの驚くべき結論は、もしも持続的カプノグラフィが使われていたらICUでの気道による死亡、あるいは持続的神経学的損傷の74%が防げたであろうとしている。ICU及び救急部門のデータからの観察では無自覚の食道挿管がある。食道挿管が認識されなければ6例中5例の死亡原因となっている。カプノグラフィは6例中5例で使われていなかった。6番目は平坦なカプノグラフィは心停止のためであると誤認識されていた。”Fourth National Audit Project”はICUでのカプノグラフィに関する3つの推奨を強く勧めている。
第1はカプノグラフィは全ての重症Ptの挿管では場所に拘らず使用されるべきである。
第2は挿管されたり、人工呼吸器に頼っている気管チューブのある(tracheostomy気管切開を含めて)全てのICU Ptでは持続的カプノグラフィが使用されるべきである。費用と技術的困難さは日常的カプノグラフィの迅速な導入の障害であるかもしれない;しかしこれはその実行を妨げるものではない。カプノグラフィが使われていないところではそれを使わない臨床的理由を記載し正式に批評すべきである。
最後に(第3に)ICUで働く全ての臨床スタッフのトレーニングはカプノグラフィの解釈を含むべきである。教育は気道閉塞や挿管部位の誤りの確認に焦点を合わせる。
・熟練した麻酔科医は上記の研究でも全ての食道挿管を予防できたとある人は議論するが、我々全ては少なくとも手術室ではカプノグラフィに助けられている。その上なぜ、ICU Ptでカプノグラフィがルーチンのモニタと考えられるべきいくつかの理由がある。
(1) 異なるICUの間でしばしばさまざまな専門的知識がある。
(2) ICU Ptは手術室での日常的麻酔症例の多くに比べて重要な、心臓や肺の合併症が多い。それ故、元気なASA1や2のPtに比べて過失の限界と結果としての低酸素症がICU Ptではより有害になりうる。
(3) ICUからのデータでは相当な数の死亡と脳障害の原因となるICU Ptにおける診断されていない不注意な気管チューブの誤挿管が示唆されている。
(4) 2010年の国際CPRコンセンサスが、International Consensus guideline on CPR, American Heart Association推薦は気管チューブの気管内挿管を確かめるだけでなく、CPRの有効性を評価するためにカプノグラフィ使うように主張している。(U.S. National Registry of Cardiopulmonary Resuscitationによれば心停止の46%[40,050/86,748]はICUで起こっている。そして心停止は最悪の結果になっている[15.5%生存/退院Ptのうち]。論理的結論としてカプノグラフィを使用することは気道、心拍出、換気の全てのモニタとして重要である。
(5) カプノグラフィの波形を使用することは気管支攣縮bronchospasm、気道閉塞、気管チューブの屈曲の診断の助けになる。
(6) 動脈血―呼気終末PCO2差を使うことは肺胞死腔の代用になる
(7) NGtubeの気管気管支内への不注意な挿入の診断になる
(8) 経皮気管切開percutaneous tracheostomyの助けになる
(9) 脳幹死を確かめるためのapnea test無呼吸テスト中のカプノグラフィの使用
(10)代謝率metabolic rateのガイドとしてのカプノグラフィ
(11)呼吸器離脱weaning過程の自発呼吸の見積もり
(12)繰り返し血液ガス測定に関する費用の減少
(13)BoerあるいはEnghoff approachを使用したICU管理の過程における死腔の進行性の変化の評価のために容積カプノグラフィの使用は重要な興味が示されている
・the monitoring advisory bulletin(May 2011)の中で、AAGBIは会員にFourth National Audit Projectについて警告した。The International Care Society of United KingdomもまたStandards for Capnography in Critical Care (Standards and Guideline)集中治療におけるカプノグラフィの基準と題する小冊子を出版した。ICUの中、及び病院間あるいは病院内移送中に人工呼吸を要する全ての重症Ptで気管切開や気管内挿管の処置を行っている場合はカプノグラフィを使用することを強く推奨している。ICU内で人工呼吸をしている場合のカプノグラフィの持続的使用に関して、持続的なカプノグラフィが通常の人工呼吸の間の気道の災難による破滅的害の機会を減らすという直接的エビデンスがないことを理由にして強く推奨することができなかった。そしてさらなるこの領域の研究を示唆した。
・ICUにおける通常の換気の間のカプノグラフィの価値の直接的エビデンスがかけているにも拘らず、それが持続的に使われなければ気管チューブの誤挿管は救命方法を呼び起こすタイムリーな方法を持ち出せないことが強調させねばならない。
・ICUで気管挿管困難Difficut AirwayのPtで顔を横向けた時に気管切開チューブがはずれて母親が死亡するといったことが発生した。どのようなモニタリング技術でも同様であるがカプノグラフィ全体としての利益は個々の見方よりも考慮に入れられるべきである。カプノグラフィをよりしばしば使用すれば臨床医がこの装置を危機的環境において有効に使うであろう。カプノグラフィの使用が上記の推薦のように増えれば近い将来、ICUの状況の中でその有効性についてのデータが得られると確信している。
○[施設内外での人工呼吸器をつけたPtの移送]
・人工呼吸を必要とする全てのPtはカプノグラフィでモニタされるべきだとするならばICUへまたはICUから、あるいは施設間で移送される時、これらのPtはどうしてもモニタされなければならない。移送中にCO2の波形をモニタリングすることは気道および呼吸の完全さを保証する。ある研究で、病院間あるいは病院内の移送でパルスオキシメトリとカプノグラフィによって9例中6例の不幸が検出された。もしも換気が一定に保たれているならば急激なPETCO2の急激な減少は、直ちに調査されなければならない;それは心拍出量cardiac outputが減少したためかもしれない。病院受診前の状況でいくつかの州は緊急医療サービスに対してカプノグラフィの解釈に必要な訓練を与えることと、最初の応答者responderとしてカプノグラフィを使用することを職員に尋ねることを政府の注意文書として出版した。
○[麻薬による鎮痛が必要な術後Ptのモニタリング]
・APSF(麻薬安全委員会)は術後Ptで持続的あるいは患者管理による注射patient controlled infusionsによって罹患率と死亡率につながる、麻薬が引き起こす呼吸抑制について関心を示している。定義によって呼吸抑制の頻度は1―40%と変わる。鎮静処置中のカプノグラフィモニタリングとよく似て、これらのPtでカプノグラフィは呼吸抑制の早期の警告をもたらすエビデンスがある。Pt管理による注入法を行いパルスオキシメトリとカプノグラフィでモニタリングされた178名の研究で、酸素飽和度<90%以下の低下と3分以上続く除脈は12―41%に及んでいた。あるPtは救命のため陽圧呼吸を必要とした。APSF(麻酔安全委員会)は麻薬を受けているPtのカプノグラフィによる呼吸モニタリングを含むいくつかの推薦を打ち出した。なぜならそれが最も信頼できる低換気の検出法だからである。しかしながらこの装置を術後Ptへの実施には、偽陽性を減らし、術後Ptにより快適なシステムを作るための技術的改善が必要である。より良い方法は、偽陽性の出来事を減らしてより大きな利益を生み出すパルスオキシメトリとカプノグラフィをブレンドしたアルゴリズムを生み出すことである。それにも拘らず、危機に面したPtはこの技術で利益を得るべきである。
○[カプノグラフィの将来]
・いつになったら手術室の外でよりしばしばカプノグラフィが使われるようになるかは単に時間の問題である。他の専門分野からの医師はPtの安全性を高めるカプノグラフィの価値により気付き始めている。死亡時や心不全のあるPtの大きな心イベントの予測の検査の間にPETCO2値の予後的役割を決定するなどのカプノグラフィモニタリングの補助的使用と利点を積極的に探索している。カプノグラフィ波形の解釈で医師や呼吸療法士、看護職員の訓練にはかなりの努力が必要である。カプノグラフィ装置の製造者は確かな、費用対効果の良い、ポータブルのCO2波形の表示とキャリブレーションができるカプノグラフィ・ユニットの作成に注力すべきである。カプノグラフィ・ユニットは、将来は集中治療の人工呼吸器には初期設定となるべきである。ICUにおけるその使用は最近は好ましいと考えられているから、ICUでのトレーニングはCO2検出センサーが分泌物で汚染されるのを防ぐ方法とカプノグラフィ波形の解釈を含むべきである。麻酔科医はカプノグラフィの知識を良く修め、それぞれの施設で手術室以外にカプノグラフィを配置することを助ける論理的先駆者になるべきである。


◇Brabani Shankar Kodari, MD : Clinical Concepts And Commentary: Capnography Outside the Operating Room Anesthesiology, vol118, No1, 2013, p192-201. Brigham and Womens’ Hospital, Harvard Medical School, Boston Mass USA
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