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脳外科麻酔の現場

脳外科麻酔についての備忘録 An actual spot of the neurosurgical anesthesia.

130.01.02. 高血圧症、ARBによる血圧低下

目次
130.01.02. 高血圧症、ARBによる血圧低下
○[経験] 70歳代女性。158cm、57kg。GbS+CBDSで胆嚢胆管炎+急性膵炎併発して入院。ERCPでCBD截石、胆道stent留置。炎症軽快後、LapC予定で入院。術前合併症:高血圧症でARBオルメテック20mg。DM+でDPP4グラクティブ50mg+SGLT2ジャディアンヌ10mg+。BS365-246-215→Insulin regularでスライディングスケール治療。Ope当日朝ARM内服継続+。手術室入室時BP130/72,pulse108bpm.
・fentanyl100μg+RFアルチ0.15mg/kg/h+バプロポフォール10mg/kg/hで緩徐に導入。Rb50mgで気管挿管。導入後、BP82/58―60/40と低下し、phenylephrineネオシネジン0.1mgずつiv×8回⇒ネオシネジン0.5―0.8mg/hでciv。BP85-100/48-62で維持。ARBオルメテック10mgをope当日朝まで内服していたための低血圧と思われる。覚醒、術後経過は良好。入院時、導入前から頻脈だったので昇圧薬としてphenylephrineを使用した。
○ 降圧薬の術前中止
・β遮断薬は(2014年ACC/AHAガイドライン)、高血圧などの適応疾患に対して投与されている場合には周術期も推奨されるべき(classⅠ)
⇒以前はβblockerは術中に思わぬ除脈を起こす危険性があるので中止するとされていた。
・アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は術中に著しい低血圧をきたし、昇圧薬にも反応しないなど弊害が多いため、周術期は中断することが推奨されていた。添付文書にも「手術前24時間は投与しないことが望ましい」
・2014ACC/AHAガイドラインでは周術期に継続することが妥当。ClassⅡa
◇ 濱田宏 症例検討 入室時の血圧が200/115mmHg このまま麻酔をするか? LiSA vol27, no2, 2015, p170-173
○ 血圧は交感神経とレニン-アンギオテンシン系とバソプレシンによって制御されている。ACEIによりレニン-アンギオテンシン系が抑制されているPtは麻酔導入による交感神経系抑制により低血圧を起こす頻度が高い。ARBを投与されているPtでは麻酔導入により低血圧となる頻度が高く、薬物治療に反応しにくい。手術当日はARB投与は中止する。
◇稲田英一 麻酔への知的アプローチ 第9版 2015 日本医事新報社 東京,p55-56
                       <7/3/2017>
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